

市浦 涼
理学療法士
所属
株式会社サワライズ ヘルスケアセンター
関心領域
発達障害、認知症、フレイル、オステオパシー
ストーリー
9歳の頃、大好きだった曾祖母が認知症を患った。
当時、認知症は「痴ほう」や「ボケ」と呼ばれ、認知症への理解が一般的に低い時代だった。
曾祖母の記憶力が日に日に低下していくことや、徘徊などの周辺症状に苦しみ、家族も自分もどう接していいかわからず、時には冷たくしたり怒ってしまうこともあった。
「こんなこともできなくなったの?」と言ってしまったり、入れ歯を私に盗まれたと言われた時には「入れ歯なんて僕が盗むわけない!」とつい感情的になったこともある。
その度に胸が締め付けられるような後悔が残った。
11歳の時、曾祖母が亡くなった。
彼女の存在の大きさに気づいたのは、いなくなってからだった。
どうしてもっと優しくできなかったのだろう、と悔やむ日々が続いた。
心のモヤモヤを振り払うように、夢中で野球に打ち込んだ。
しかし、大きなケガをしてリハビリを受けることになった時、偶然隣のベッドで認知症の方がリハビリを受けている光景を目にした。
その瞬間、曾祖母の姿が脳裏に浮かび、理学療法士になろうと決意した。
理学療法士の資格を取得後、介護フランチャイズ最大手の会社に入社。
2年間、現場で認知症の方を中心にリハビリ業務に携わる。
その後は、介護技術の講師、新規事業のデイサービス立ち上げ責任者、リハビリ室の責任者などに従事。
特に立ち上げの経験から、現場で働く人たちが疲弊していては、ご利用者に良いケアが提供できない現実を痛感。この課題に向き合うため、介護業界の経験を活かしつつ、2年間IT業界で新たな知見を積む道を選んだ。
現在は、株式会社サワライズにてスクール事業のシステムサポートや、フレイル予防・認知症サポートなど未病領域に取り組んでいる。社内外の企業や行政をつなぐ架け橋となり、より良い未来の実現を目指して活動中。